打ち粉について

打ち粉の役割は基本的に天種と衣の接着剤の役割を果たします。しかし一緒に揚がる訳でありその材質が揚げ上がりに影響することは間違いありません。

基本的には衣を作る際に振るった小麦粉をそのまま用います。粒子が細かく天種にベタッとつかないようになっています。しかし、水分の多い天種では粉が付きすぎてしまい、揚げ上がりに粉が残ってしまうこともあるため、余計な粉は箸で叩いて落とす、刷毛ではくなどの処理を行わなければなりません。

また、ピーマンやナスなど打ち粉が皮目には付きづらく身には付きやすい天種もあり、天種のなかでもどの部位にどの程度つけていくかを考える必要があります。

 

実際に用いる粉ですが、絶対に小麦粉を用いる必要はありません。目的が達せられればよいので例えば米粉などを用いても良いのです。

米粉を使うと小麦粉に比べてカラッと揚がります。小麦粉は小麦粉でふわっと揚がる印象で自分の理想の揚げ上がりにあわせて選択することができます。

 

打ち粉は量としてはごく僅かな要素です。しかし、天種自体にもボリュームがあるわけではなく、その中のさらに衣はごく一部の要素です。

もともとのボリュームが少ない分少しの量が大きく影響してきます。

カクテルの割り方でも同じような話があります。特にショートカクテルは60mlの中で味をすべて調整する必要があり、そのなかの1mlは大きな意味を持つのです。

 

ほかの世界にも通ずる天ぷらの理念

天ぷらの世界は深遠なのです