箸について

天ぷらで使う箸は2種類あります。

天種を掴む太い木の箸と揚げ箸です。

 

太い木の箸は天種に打ち粉をつけて衣をつけるために使うもので、天種に対して接する面積が少ないためかける圧が少なくなります。するとつけた衣や打ち粉が剥がれ落ちるリスクが逓減するため衣で全体を包まれた天種が油に直に晒されずに蒸される状態を確保することが出来ます。職人が持っている太い箸にも意味があるのです。

 

揚げ箸はステンレス性ないし竹が良いようです。衣がついた箸でそのまま揚げると衣が箸について固まってしまい、箸がだんだん太くなってしまいます。また、箸の衣に天種の衣がくっついて剥がれてしまい細かい操作ができません。鉄や竹の箸が推奨されるのは衣がつかずすっと剥がれるからではないかと思います。

 

橋一つとっても意味があります。

天ぷらの世界は深遠なのです。