油について

油は太白ごま油を使用するお店が多いように思います。焙煎(世に言う胡麻油)は風味が強く素材の繊細な味を殺してしまう可能性があるため焙煎していない太白ごま油を使用しているものと思います。

しかし、油には多くの酒類があります。米油、コーン油、キャノーラ油、えごま油などなど。

これらを選ぶ上で何が大切なのでしょうか。

耐酸化性、耐熱性、それに先程記載した風味だと考えます。

天ぷらはおもに170-200度の高温で天種を揚げます。従って200度以下で発煙してしまう耐熱性の油は天ぷらに向きません。

仮に低温で揚げ始めると衣が固まるのにじかんがかかり、油切れが悪くなってしまうためベタッとした食感になってしまいます。

太白ごま油は通常の油に比べて高価なため、家庭での使用は贅沢に天ぷらを上げたいときに限られます。

通常はキャノーラ油、米油などにごま油を足して風味づけする程度が良いと考えています。

しかし、天ぷらを薄衣でカラリと仕上げるには油もさることながら揚げ手の手技が非常に重要です。

自らの技術不足を油のせいにしてはいけません。

天ぷらの道は深遠なのです。